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困難に負けない「本当に強い子」へ。

 コ ラ ム 

2026年1月20日

成功体験以上に価値のある「回復体験」とは?

「わが子には、少々の困難ではめげない子に育ってほしい」


子育てをしていると、誰もが一度はそう願うと思います。


学童塾KASICOでは、子どもが賢く育っていくための大前提として「自律」が欠かせないと考えています。

自分の頭で考え、判断し、その結果を引き受けて、必要なら修正する。

このサイクルを回していくうえで鍵になるのが、「回復体験」という考え方です。


うまくいった経験ももちろん大切です。

ただ、それ以上に残るのは、失敗したあとに自力で立て直した経験かもしれません。





精神的強さの起点としての「自己決定」

困難に動じない強さの土台には、

「自分の状況は自分で変えられる」という感覚が必要です。


そのためには、日常の小さな決断を子ども自身に委ねることが欠かせません。


自己決定理論(SDT)では、自律性(自分の行動を自分で決めている感覚)が守られているほど、困難に直面したときのストレス耐性が高まり、粘り強く課題に取り組みやすいことが示されています(Ryan & Deci, 2000)。


逆に、親が先回りして障害を取り除いてしまう「過干渉」は、試行錯誤の機会を奪い、将来的な脆さにつながる可能性があります。


たとえば「勉強しなさい」と指示するのではなく、

「今日は〇時から出かけるけど、何時ぐらいに終わりそう?」と聞いてみる。


自分で選んだ方法なら、行き詰まっても「次はどう変えようか」と修正しやすくなります。




脳を鍛える「プロダクティブ・ストラグル(生産的な足掻き)」

失敗して「どうすればいいんだろう」と悩む時間。

実は、その時間こそが思考を強く育てます。


教育神経科学では、限界ギリギリの課題に取り組み、エラーを修正しようとする過程を「プロダクティブ・ストラグル(生産的な足掻き)」と呼び、成長に必須の段階と位置づけています。


たとえばKASICOのパズルがなかなか解けないとき。

すぐに答えやヒントを渡すのは簡単ですが、それでは「考える回路」が育ちにくくなります。


「今は“まだ”方法が見つかっていないだけだね」


この距離感で見守り、本人が「解けた!」と壁を越える瞬間を待つ(Dweck, 2006)。

この“自力で立ち直った記憶”が、自信へと変わっていきます。




「庭師」のような静かな支援が、レジリエンスを育む

子どもが失敗を恐れず挑戦し続けるためには、

失敗しても見捨てられないという安心感が必要です。


発達心理学では、失敗したときに戻れる「安全基地」があるからこそ、子どもは未知の困難へ踏み出せると考えられています。


親の役割は、子どもを設計図通りに作る「大工」ではなく、育つ環境を整え、必要以上に介入せず見守る「庭師」であるべきだと表現されています(Gopnik, 2016)。


子どもが失敗して帰ってきたとき、すぐに励ましたり対策を示したくなるものですが、まずは話を聴く。

子どもが自分で前を向くための「消化する時間」を保証することも、大切な支援です。




まとめ:真の強さは「回復」の数で決まる

子どもの精神的な自立を支えるのは、

「自分で決める」「結果を引き受ける」「周りとの調和を図る」という3つの力です。


これらは、順風満帆なときには身につきにくいものです。

失敗し、悩み、そこから「どう立ち直るか」という回復体験の中で、少しずつ鍛えられていきます。


親の役割は、子どもに失敗をさせないことではありません。

「この子なら、失敗しても立ち上がれる」と信じて待つことです。


もちろん、放置とは違います。

助けを求めたときには、すぐ手を差し伸べられる距離にいること。

過干渉でもなく、突き放しでもない。

庭師のように、つかず離れずで見守ること。


それが、子どもの“本当に強い力”につながっていくのだと思います。





参考文献

  • Ryan, R. M., & Deci, E. L. (2000). Self-determination theory and the facilitation of intrinsic motivation, social development, and well-being. American Psychologist, 55(1), 68–78.

  • Dweck, C. S. (2006). Mindset: The New Psychology of Success. Random House.

  • Gopnik, A. (2016). The Gardener and the Carpenter: What the New Science of Child Development Tells Us About the Relationship Between Parents and Children. Farrar, Straus and Giroux.

  • 岸見一郎, 古賀史健 (2013). 『嫌われる勇気――自己啓発の源流「アドラー」の教え』 ダイヤモンド社.







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岡山市北区にある、放課後の学びと安心を両立する「学童保育+塾」の複合施設です。 大学入試から逆算した独自のカリキュラム(集団ACT・パズル・ボードゲーム等)を通じ、楽しみながら本質的な賢さを育みます。

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