コ ラ ム
2023年2月25日
ぼーっとする時間の効用
前回の記事「子供を暇にさせて大丈夫?」で、暇な時間が必ずしも悪ではないことに触れました。
今回は暇な時間の過ごし方の一つである
「ぼーっとする時間」について、
触れたいと思います。
子供がぼーっとしているのをみると、親としては気になるものです。
ついつい小言を言ってしまったり・・・、
親目線で有用だと考えられるものを提供してしまいそうになります。
ただ近年の研究でこのぼーっとする時間は、脳にとって大事な時間であることが示唆されつつあります。
デフォルトモードネットワーク(DMN)という言葉を、聞いたことがあるでしょうか?
最近ではたまにテレビなどで目にするようになりましたが、
「何も考えていない、ぼーっとした状態にある脳の神経活動」のことを指します。
ぼーっとしていると脳は何もしていないように思えますが、実は普段以上に特定の領域を活発に活動させています。
具体的には、内側前頭前野、後部帯状回、楔前部、下部頭項葉、海馬・・・など様々な領域が含まれますが、(Buckner et al., 2008)
どういった脳の活動が想定されるかというと、
将来の出来事の期待、計画、エピソード記憶の検索、課題準備、自己や他者に関する情報処理、社会的情報処理、視空間的イメージ、記憶・・・・(Koshino et al., 2013)
と多岐にわたります。
これらの活動をまとめて、一般的には、
活動時に得た「情報を処理/整理」している時間
と考えられています。
子供にとって毎日の生活は、新しいことがほとんどで、
洪水のように新しい知識や情報が流れ込んできます。
そういった情報はきちんと整理/ラベリングして脳に保管していかないと、散らばった部屋のような状態になり、まったく使えない道具になってしまいます。
ぼーっとして、何もしていないように見えても、子どもの脳は忙しく活動しているものです。
見守る側としては、そういった脳の活動に思いを馳せ、冷静になって子供に接していっていただきたいなと思います。
Koshino, H., Osaka, M., Osaka, N.(2013) Functional Heterogeneity of the Default Mode Network. Japanese Journal of Physiological Psychology and Psychophysiology 31(1):27-40
DOI:10.5674/jjppp.1304si
Buckner, R. L., Andrews-Hanna, J. R., & Schacter, D.L. (2008) The brain’s default network: anatomy, function, and relevance to disease. Annals of the New York Academy of Sciences
(追記)
思い返してみると私も小学校低学年の頃は、かなり暇でよくぼーっとしていたものです。
ただ子供はいつまでも、ぼーっとすることはできません。
エネルギーを蓄えたら、急に活動的になるものです。
私も一定時間ぼーっとしているとなんだか活動したくなり、何か面白いことはないかと友達の家に行ってみたり、家の中を回って面白そうな遊びを探していました。
この時に遊びで得た原体験は今でもよく覚えているし、学校で理論を教えられたときに、自分の体験とリンクすることが多く、非常に納得感があったことを今でも覚えています。
今思い返すと子供時代の暇な時間は、非常に大事な時間だったのかもしれません。
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